不眠症の苦痛を自然療法で緩和する-欧米の知恵とは?-

2019.02.20

不眠症の苦痛を自然療法で緩和する-欧米の知恵とは?-

寝つきが悪かったり、真夜中に何度も目を覚めてしまったり。

 眠れないままベッドの上で煩悶するのは、想像以上の苦痛を伴います。とはいえ、こうした現象は誰にでも起こりうること。むやみに入眠剤などに手を出さずに、なるべく自然な睡眠を心掛けたいものです。薬草の歴史があるヨーロッパでは、現在もさまざまな用途に応じて副作用が少ない薬草が販売されています。

 質の良い睡眠のための薬草、日本でもハーブティーやサプリなど入手が可能なものが多いのです。

 

まずは生活を見直す

 質の良い睡眠のためには、まずは自身の生活を見直す必要があります。

 たとえば、一日中コンピュータの前で過ごす人、就寝前に喫煙したりカフェインを摂取する習慣がある人、ダイエットのために就寝時に胃が空っぽの人などなど、すでに入眠が困難となる条件を日中に体にため込んでしまっている方も多いことでしょう。

 生活スタイルの変化は、時代に即して起こることですからどうすることもできません。デスクワークが長時間続く人は、できるだけ体を動かす努力が必要です。カフェインやニコチンは、興奮作用がありますから就寝前は避けたほうが無難。また、ダイエットのために夕食を抜いたり極端に量を減らしたりすると、低血糖によって空腹感を喚起し不眠症になりやすくなるのです。

自然療法に用いられる数々のハーブティー その効能は?

 欧米では、ハーブティーは日常の一部。スーパーマーケットでも販売されているため、食品庫に常備されている家庭が多いのです。副作用はほとんどないため、消化不良を感じた時、不安感があるときなど、ハーブティーを気軽に飲む習慣があります。

①自然療法の雄「カモミール」

カモミールは、抗不安作用と鎮静作用があるといわれています。とくに体調が悪いという自覚がなくても、就寝前にカモミールを飲む習慣がある人が多いようです。優しい香りはレモンやはちみつとも相性がよく、お風呂上がりの一杯としてもおいしく飲むことができます。

②消化不良やこむら返りにも有効「レモンバーム」

ハーブのブームですっかり一般的となった「レモンバーム」。鎮痙・鎮静作用があるといわれるレモンバームは、ストレスや不安を抑えてくれるといわれています。生理痛やこむら返り、消化不良にも効き目ありとか。お休み前に優しいレモンの香りで癒される人も多いようです。

また、レモンバームのエッセンシャルオイルをアーモンドオイルなどで希釈して、体に塗りながらマッサージするのもリラックスできます。

③女性に人気「パッションフラワー」

甘い香りが女性に人気の「パッションフラワー」。パッションフラワーには、アルカロイドやフラボノイドが含まれています。これが、不安や緊張、ストレスの緩和に役立つため、ちょっと鬱々とした気分やそれに伴う不眠症には効果があるといわれてきました。また、更年期障害や生理痛など女性特有の症状にもよく用いられるハーブです。

④不眠のための定番「バレリアン」

南欧では、不眠症の人のための定番といわれているのが「バレリアン」です。バレリアンは、サラダとして生の葉っぱを食することもよくあるのですが、入眠の効果を得るほどの量を摂取するにはもっぱらサプリに頼ることが多いのが実情。

中枢神経系に作用する催眠作用があるバレリアンは、時差ぼけ対策にも用いられるほど一般的です。

植物に由来する自然療法、種類をそろえて楽しむ

 植物由来のお茶やサプリは、穏やかな効き目が最大の特徴です。香りや可愛らしいパッケージを楽しむことができることから、女性のあいだでは特に人気です。

 最近では、オンラインでも気軽に入手できるさまざまなハーブや植物のオイルですから、いくつかの種類を併用して気分や体調に合わせて楽しみましょう。

最後に

 医師に処方してもらう入眠剤のような劇的な効き目はなくても、体に負担をかけずに、また依存症などの心配もないのが自然療法の最大のメリットです。自然療法の基本は、自分自身がリラックスして穏やかな気分になれるかどうか、これにつきます。

 自身の体調や好みに合わせて、有効な自然療法を模索してみてください。